CIVILIZATION VII

『シドマイヤーズ シヴィライゼーション VII』の「時代」

予想読了時間4 分, 11 秒
Age Select - Hatshepsut

『シドマイヤーズ シヴィライゼーション VII』の数あるゲームプレイの進化の中で、「時代」は最大の新機能です。『シドマイヤーズ シヴィライゼーション VII』には、「古代」「探検の時代」「現代」の3つの時代があり、それぞれ固有の文明ゲームシステムでプレイします。

「時代」は、「歴史は重なって形作られる」という「シドマイヤーズ シヴィライゼーション」の革新的な概念から生まれたシステムです。この考え方は、文明の成長や進化の過程を理解する鍵となります。限定された特別な旅を時代毎に用意することで、より奥深く没入感のある歴史的ストラテジー体験を実現しました。

複数の時代にまたがり競い合うこともでき、各時代で科学的、文化的、軍事的、経済的なマイルストーンを達成すると、次の時代を優位に始めることができます。どの時代からでも開始できるため、前の時代をスキップして手軽にプレイすることができます。

各時代と固有の文明

3つの時代をプレイできます。古代:農耕社会が都市に集まり始め、最初の文明の基礎を形成します。探検の時代:異国の地から貴重な物資を求め、国家は大海原を横断します。現代:技術が驚異的な成長を遂げ世界的な衝突が発生する時代です。人類は蒸気機関を開発し、原子を分裂させます。

全ての時代で1つの文明をプレイするのではなく、時代ごとにプレイする文明を選択して国家を進化させます。各時代の歴史的試練に耐えうる文明を選ぶのです。

各時代には、プレイできる文明など、その時代に固有の要素があります。その概要を以下にまとめました。各文明は時代に合わせてバランス調整されているため、そのボーナス、ユニット、建造物は常に有益かつ強力なものになります。

時代毎の違い:

  • 文明:文明はその時代に固有であり、「固有能力」、「ユニット」、「社会制度」、「建造物」、「施設」が存在します。
  • 資源:各時代には、マップ上で獲得可能な「資源」があります。複数の時代で登場する資源もあれば、個々の時代限定のものもあります。
  • 社会制度と技術:時代によって、研究できる社会制度と技術が決まります。
  • 建造物とユニット:使用可能なユニット、建造物、遺産の種類は時代によって決まります。
  • 独立勢力:「独立勢力」とは、マップ上に存在する干渉可能な小規模の勢力です。
  • ゲームシステム:一部のゲームシステムは各時代に固有であるため、それぞれの時代でユニークかつエキサイティングな体験ができます。
  • プレイ可能なマップエリア:時代によってマップの全体サイズとプレイ可能な範囲が決まり、プレイヤーが新しい時代に移行すると拡大します。

「時代の進展」は、その時代での進行度を表します。すべてのターンが時代の進展に少しだけ寄与します。一方、レガシーパスのマイルストーンを達成するなどすると、時代の進展メーターはより大きく増えます。一般的に、1つの時代は標準的なスピードでは150~200ターン程度続き、およそ3~4時間プレイできます。

先ほどのレガシーパスとは、1つの時代の間に達成すべき一連の目標のことで、科学力、軍事力、文化力、経済力の目標に分類されます。各レガシーパスには複数のマイルストーンがあり、パスの先に進むほど大きな報酬を得ることができます。新しい報酬を獲得するたびに、次の時代への移行時に利用できるボーナスが1つ以上解除されます。 

レガシーパスをすべて完了すると、次の時代で手に入る「黄金時代」のレガシーが解除されます。レガシーパスのマイルストーンを1つでも完了できなかった場合は、関連する「暗黒時代」のレガシーが解除されます。全てのパスとその目標は、その時代のエッセンスをさらに引き出すために、その時代をテーマにしています。 

時代の終わりに近づくと、「危機」が発生します。その名のとおり、危機はゲーム中の全文明が直面し、乗り切らなければならないもので、その時代をテーマにしています。それぞれの危機は段階的に訪れ、時間の経過とともに深刻化して、適応しなければ国家を維持することが困難になります。ゲームプレイを続けながら、採用する危機政策の選択を迫られます。社会制度を完成させるときに取り入れる有益な社会政策とは対照的に、危機政策はネガティブな政策であり、専用のスロットがあります。

危機システムを作った理由はいくつかあります。第一に、時代の最後に変化と興奮を与え、時代の終盤を壮大なクライマックスにするためです。また、プレイヤーに興味深いチャレンジを与えます。対応方法に「正解」がないため、何度でもプレイしたくなるのです。そして最後に、多くの文明の物語的現実を反映しています。創造、成長、危機、再生から世界が再形成され、新時代が幕を開けるのです。

Hatshepsut Potential Paths

時代の移行

『シドマイヤーズ シヴィライゼーション VII』のゲーム全体は、「古代」、「探検」、「現代」の3つの時代を巡ります。一つの時代が完成すると、全てのプレイヤーやAIは同時に時代の移行に入ります。時代の移行中は、3つのことが起こります。まず、新時代の国家の顔となる新しい文明を選びます。次に新しい時代に引き継ぐレガシーを選びます。そしてゲームの世界に大小の進化が起こります。 

新しい時代で新しい文明を選ぶとき、どんな文明でも選べるわけではありません。選択肢の決め手は3つあります。第一に、過去の文明と未来の文明の間に歴史的または地理的な繋がりがあれば、より歴史に根差した選択ができます。これまでに紹介した例としては、古代のエジプトから探検時代のアッバース朝、マウリヤ朝インドからチョーラ朝インドがあります。 

Ashoka Potential Path

第二に、特定の指導者は、際立って強いアイデンティティを持つことから、特定の文明を自動的にアンロックします。例えば、卑弥呼を選べば、必ず現代で「近代日本」をプレイできるようになります。

From Rome Potential Path

最後に、ゲーム中の行動によって、史実とは異なる道も切り拓くことができます。これは「シドマイヤーズ シヴィライゼーション」コミュニティが長らく議論してきたことです。エジプトがモンゴルに「変身する」という現象に対する皆さんの反応(とミーム)は、私たちのもとにも届き楽しませていただきました。その上で、多くの理由からこの選択肢を入れたいと考えました。

第一に、それは楽しいものであるし、「シドマイヤーズ シヴィライゼーション」の「もしも」の実験精神を反映していると思います。第二に、特に史実に則ったプレイを重視しないプレイヤーを中心に、劇的な戦略変更の可能性を提供したかったのです。もし探検の時代に馬に囲まれることになったら、大海原を渡るのではなく、モンゴルの強力な騎兵隊を使って母国の大陸を掃討したら面白いのではないでしょうか。 

最後に、これは「歴史は重なって形作られる」という概念の一部を反映していると考えています。歴史は幾多とある可能性から選ばれた一つの道筋である、そして文明は最終的にはその人民によって形成、舵取りされていくという考え方です。

Roman City

新しい文明を選択したら、新しい時代に引き継ぎたいレガシーを選びます。レガシーは、それを獲得するために十分な「レガシーポイント」を獲得して初めて選択できるようになります。レガシーポイントは、主にレガシーパスのマイルストーンを達成することで得られます。例えば、科学のパスでマイルストーンを達成すると科学ポイントが得られ、次の時代で科学のレガシーを獲得するために使うことができます。 

レガシーには様々なコストとボーナスがあります。一部のレガシーは「指導者属性」を1ポイントしか消費しないため、簡単かつ大量に獲得できます。また、前述の黄金時代のレガシーのように、よりコストがかかり前提条件となる実績を必要とするものもあります。私が特に気に入っているレガシーは「遷都」です。ノーコストで、内陸部の首都を海岸沿いの居住地に移動させ、新しい時代の試練や戦略的チャンスに備えるのに役立ちます。 

新しい文明とレガシーを選択し、新時代が始まると、ゲーム世界全体に一連の変化が起こります。全ての文明は、新しくなった「社会制度ツリー」と「技術ツリー」を引っ提げて新たなスタートを切ります。新たな資源がマップを埋め、世界が広がります。古代から探検の時代では、造船を研究して大海原を渡り「遠隔地」へ到達できます。そこで見るものは、既にその地を占有している未知の文明。来客の訪問を歓迎しないかもしれません。「過剰建設」によって、新しい時代に衰退して産出量の少なくなった古い建造物の上に新しい建造物を重ねることができます。新たなレガシーパスでは新しい目標が提示され、新しいゲームシステムが採用されます。古代では重要性の低かった「宗教」は、探検の時代では行動の重要な原動力となります。 

新たな文明を手にし、世界が変貌を遂げる中、一つの疑問が生じます。どうすれば国家の一貫したアイデンティティを維持できるのだろう。私たちはこの部分の調節と微調整に最も多くの時間を費やしました。ゲームが皆さんのお手元に届いた後も続けていくことになるでしょう。アイデンティティを維持する要因はいくつかあります。

  • 指導者は時代毎には変わらない。時代と共に指導者が変わらないことで、ライバル意識を促進します。築いた関係も引き継がれ、指導者は属性をレベルアップさせることで成長を続けます。また、時代を超えて同盟関係を結ぶに相応しい指導者、あるいは宿敵を決められるため、それぞれのプレイで自分だけの物語を紡ぐ感覚を得られます。
  • 伝統をいつでも使用できる。文明固有の社会制度ツリーに投資することで伝統を解除できます。どの時代でも使える社会政策です。現代では、全ての社会政策を伝統と結び付けるかどうかはプレイヤー次第で、指導者によってはそれでボーナスを得ることもできます。
  • 時代を問わない建造物。一部の建造物は、代えがきかないほど重要なものもあります。築いた遺産は、建設した固有の街区と同様に、常にマップ上に残ります。
  • 「司令官」が変わらない。司令官は特に強力かつインパクトのあるユニットで、戦場を調査する中でレベルが上がっていきます。全ての司令官の属性と経験は時代を超えて継続するため、これらのユニットに投資すると、長期的に価値が生まれます。

Norman City

時代の移行は、『シドマイヤーズ シヴィライゼーション VII』のゲームの遊び方の可能性を広げる要素です。遅れをとってしまったら、時代の移行で軌道に戻る方法が与えられます。好みのプレイスタイルをさらに強化したり、ある部分で劣勢になったと感じたら、まったく別の文明に転換したりすることもできます。雪だるま式に巨大帝国が拡大を続けることはなくなりましたが、レガシーポイントや黄金時代のオプションなどを通じて巧みな舵取りが報われるようにしたいと考えています。